1535case /より高度な矯正方法

1535case歯科矯正用アンカースクリューを用いた治療

矯正歯科治療にはさまざまな方法があります。小田急江ノ島線・横浜市営地下鉄線・相鉄いずみ野線「湘南台駅」より徒歩2分の歯医者「さいとう矯正歯科医院」では、インプラントのようなネジをあごの骨に埋め込み、それを固定源にして歯を動かす「歯科矯正用アンカースクリューを用いた治療」にも対応します。お口の状態によっては、難しい症例でもほかの方法よりも時間の短縮につながる治療法です。

※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療(Temporary Anchorage Device:TAD)とは

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療(Temporary Anchorage Device:TAD)とは

アンカースクリューとは矯正歯科治療に用いるミニインプラントで、歯ぐきに小さなインプラントを埋め込んで、そこを起点にしてワイヤーをつなげて歯並びを整える方法です。従来の矯正歯科治療では奥歯を起点にして、ワイヤーを通して歯並びを整えます。その際には、起点となる奥歯を動かさないようにしながら、その前にある歯を理想の位置に動かさなければなりません。歯は小さな力を継続的にかけ続けると動く傾向がありますので、起点となる歯と動かしたい歯への力のかかり具合のバランスを調整しないと、思わぬ方向に歯が動いてしまうので注意が必要です。

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療が生まれた背景

あごの骨に埋め込んだ歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療を行うと、そのインプラントを起点にしてそれぞれの歯を上下左右とも理想の位置に動かすことができます。これまでの奥歯を起点にする治療にくらべて、困難な部位への歯の移動も可能です。

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療のメリット
  • 治療の確実性が増すので、治療期間の短縮につながります
  • 装着しなければならない装置を少なめにとどめられる可能性が増します
  • 歯を抜かずに治療できる可能性が広がります
  • あごの骨の外科的治療を行うような症例でも、矯正歯科治療の範囲内で治療できることがあります
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療のデメリット
  • アンカースクリューの埋入が必要です
  • アンカースクリューを埋めた部分の周囲の清潔を保たないと歯肉炎などの感染症を起こす可能性があります
  • アンカースクリューがグラついたりすると再度埋入しなければならないことがあります

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療の手順

【1】アンカースクリューの植立

【1】アンカースクリューの植立

麻酔をしたあと、アンカースクリューを埋入し消毒します。術後に腫れることもありますが2~3日で治まりますので心配はありません。基本的には日常生活を送っていただけます。術後の痛みが残る場合には処方した鎮痛剤を服用してください。

【2】アンカースクリューの経過観察

アンカースクリューが安定するまでにはだいたい2~3ヶ月ほどかかります。その間は経過観察です。埋入後から2週間程度はとくに刺激しないようにしましょう。

【3】歯の移動の開始

アンカースクリューが安定しましたら、スクリューを固定源にして矯正装置を装着し、歯の移動を開始します。治療中にスクリューが緩んだり外れたりした場合は、再度、別の場所に新しいスクリューを埋入します。

【4】インプラントスクリューの撤去

歯が理想の位置に移動し、スクリューが不要になったら、埋入時と逆回転してスクリューを除去します。麻酔がいらないほどで、ほとんど痛みはありませんのでご安心ください。約1週間で歯ぐきは元に戻ります。

矯正歯科治療の固定源について

矯正歯科治療で歯を動かすためには固定源が必要です。そして固定源を動かさないようにしながら、乱れた歯を理想の位置に動かしていくのです。ほとんどの場合大臼歯を固定源にしますが、固定源を動かさずにほかの歯を動かすというのは、作用・反作用の法則を考えてもほとんど不可能だといえます。

そのため、これまではヘッドギアなどを使って固定源にしてきましたが、取り外しができる装置なので患者さんが積極的に治療を受け、十分に協力していただかないと治療効果が得られにくいことがありました。

しかし歯科矯正用のアンカースクリューを用いた場合、強固な固定源を確保できるうえ、患者さんにとって違和感が減り、歯科医師にとっても高い治療効果が得られるので、治療計画が立てやすくなりました。

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療のQ&A

歯科矯正用アンカースクリューはどのように埋めるのですか?
手術というほど大げさではありませんが、麻酔をしてからスクリューをドライバーでネジのように埋入します。切開などはしませんので、ほとんど出血せずにすみます。実際の処置時間は1本あたり5~10分ほどです。
アンカースクリューが入っていて痛くありませんか?
炎症が起きなければ痛みはありません。ただし埋入後、慣れるまでのしばらくの間はスクリューの先端が頬や舌にあたって違和感があるかもしれません。それから、スクリューのまわりの清掃が不十分で炎症を起こしてしまうと腫れたり痛みを感じたりすることがありますので、気をつけましょう。
治療期間が短くなるのですか?
治療期間は歯並びによって異なります。個人差はありますが、抜歯をしてから歯を動かす症例にくらべると、治療期間は短めです。ただ、本来は手術が必要な難症例の場合には、手術をせずにアンカースクリューを使う矯正システムの方が、若干治療期間は長くなることもあります。