- ホーム
- 歯ぎしり
小児の口腔習癖の中で指しゃぶりに次いで発現率が高いのが、歯ぎしりです。
睡眠中にみられることが多いですが、起きている時でも無意識に強く噛みしめているか、上下の歯を咬み合わせて強く摩擦している状態をいいます。
歯ぎしりの原因と治療法
歯ぎしりの原因として、①心理的障害(精神的なストレス、神経過敏)、②口腔内の異常(咬合の不均衡、不正咬合、歯肉炎など)、③全身疾患の症状(中枢神経障害、消化器系疾患など)が考えられますが、小児では心理的障害が原因であることが多いようです。
歯や咬み合わせへの影響として、①咬耗、②咬合性外傷があげられます。
また治療方法としては、①心理療法・行動療法、②咬合の改善、③装置の使用が考えられます。
心理的障害(精神的なストレス、神経過敏)の場合
歯ぎしりしやすい小児は「不安感が強い」、「怒りっぽい」、「いらいらしやすい」といった気質があることが多く、「責任感が強く」、「自己規制をする」という傾向があるといわれています。
就寝時の歯ぎしりは、毎日の生活で蓄積した緊張やストレスの発散、解除の行為と考えられています。
よって、就寝時の歯ぎしりの場合は、こどもを取り巻く環境を分析し、“精神的な重荷を軽減させる”心理学的なアプローチと“こどもらしく過ごす時間を十分にとる”という生活改善が必要と考えられます。
異常な咬耗や顎関節に症状がある場合は、スプリント(ナイトガード)のような歯科的装置の使用を検討することもあります。
口腔内の異常(咬合の不均衡、不正咬合、歯肉炎など)の場合
咬み合わせ(不正咬合)は、乳歯列完成期前後の歯ぎしりの原因の1つで、乳切歯、乳犬歯の交叉咬合(上下の歯の咬み合せが前後あるいは左右逆になっている)の場合、乳歯が生理的範囲内を超えて咬耗(歯の表面がかなり摩耗した状態)していることがあります。
このような場合、咬耗と不正咬合の関係を理解し、早期治療の必要性があるか否か検討する必要があります。
低年齢の場合は、咬合誘導が行える年齢に達するまでは注意深く経過観察していきます。
乳臼歯部を含む交叉咬合の場合、自然治癒の可能性はほとんどないことから、治療開始が適当と判断された時点で、治療方針を検討し、咬合誘導を行う必要があります。